根本療法とは

 人の体は、さまざまな外部環境にさらされています。そして、人に接し体の中に入って来るものは、少なからず人の体に影響を与えます。人に大きな害を与えるものとして、放射能や化学物質、細菌やウイルスなどがすぐに連想されますが、空気、水、食べ物など、人を取り巻く環境、人の体に入るものは全て人に害を与える可能性があります。

 人は、様々な原因で病気になります。しかし、病院に行っても、治療が長引いたり、完治せずに再発したり、また病気の原因がわからなかったりすることが多々あります。これは、現在主流となっている西洋医学が、病気を治すことを目的としているのではなく、症状を出なくする、あるいは軽減することを目的としている対症療法であるからです。

 病気を治すには、原因を探り、除去することが必要です。これが根本療法です。病気の原因となっている外部環境や体内に侵入した異物を取り除き、人の体を本来の正常な状態に戻すための医療です。もちろん、病気にならないことが一番大切です。そのためには、人の体に悪い影響を及ぼす環境や異物を遠ざけ、体に良い生活を送ることが重要になります。

 日本根本療法協会は、病気の原因を特定して取り除く「根本療法」を世間に広めるとともに、病気を予防するための正しい知識を提供することで、人びとが健全な生活を送るためのお手伝いをしたいと考えています。体への悪影響を与えるものは何か、それをどのように遠ざけるのか、除去するためにはどうしたらよいのかをお知らせします。

対症療法の問題点

 対症療法とは、病気の原因を取り除くのではなく、症状を出なくする、あるいは軽減することを目的としています。つまり、病気を治すのではなく、症状を治すことに主眼を置くのが対症療法です。

 病気の原因を探るためには時間が必要となることも多いため、病気の進行や患者さんの状態によっては、対症療法が必要な場合もあります。しかし、病気の原因を取り除かないことにより、深刻な問題が生じることもあります。

 まず、対症療法によって症状が出なくなっても、他の部分に別の症状が出ることがあります。たとえ1つの症状を物理的に治したとしても、原因を放置したままでは、他の体の弱い部分が影響を受ける可能性があるのです。

 また、薬を服用する場合には、薬への依存が問題となります。一時的に症状を抑えることができたとしても、薬を止めた途端に症状が再発してしまうため、薬を服用し続けなければならなくなる可能性があります。

 さらに、薬を飲み続けると効果が次第に薄くなる傾向にあるため、薬の量が増え、あるいは、より強い薬が必要となることにより、薬の副作用も大きくなって体の他の部分まで調子が悪くなる可能性があります。

現代医療の盲点

 現代医療の盲点は、健康数値絶対主義にあります。検査結果の数値が悪い人も、健康な人と同じ数値にしなければならないという思い込みで治療方針を決めてしまいます。一見正しく思えるこの考え方ですが、実は、病気の人は健康な人と同じではいけないという事情を考慮しなければいけないのです。

 血流が悪ければ血流を改善しようとする体の変化が必要ですし、感染すれば感染を食い止めようとする体の変化が必要で、免疫を上げていない健康時の状態が、病気の時と同じであっても良いとするのは誤りです。それは、ふだん家の周りに消防車がいないからと、火事の時に集まった消防車を異常状態ととらえて帰してしまうようなものです。火事場には火事場の、病気には病気を治そうとする、通常とは異なった状態が必要なのです。例えば、健康な人の体温が36.5度から37度という理由で、風邪をひいて上がった熱を異常だから下げようと西洋医学では考えます。(「冷え」で同じ事を書いているので途中省略)体が必死に上げようとしている熱を下げているのですから、もちろん治癒は遅くなり、場合によっては悪化します。

 国民病となってしまった高血圧は、どうして起こるのでしょうか?交通が発達した現代では、歩くことで心臓を助け血液を心臓に戻していた時間が極端に減り、血液循環が悪くなっています。また、冷房が私達の体を冷やしたり、脂の多い食事になったりしたことで、さらに血流が悪くなり抹消まで血液が行き渡りにくくなっています。凍傷になると指先が腐り出すように、血流の滞った組織は腐るため、心臓はポンプ圧を上げ(高血圧になって)、腐らないように助けてくれようとするのです。問題は血圧が上がったことではなく、血流を悪くした生活環境にあります。ですから、高血圧の真の原因を取り除くことなく、安易に降圧剤を長期間服用することは、再び血流障害を招き、臓器不全や認知症へと導いてしまうのです。

 甲状腺機能亢進症になると、現代医療では、機能を低下させるような薬の投与が行われますが、実際に、甲状腺機能亢進症の患者さんは、冷えがあったり、めまいや慢性的な疲労があったりします。これは、何を意味するのでしょうか?実際には、機能不全だからではないでしょうか。なぜ、薬を使って治らないのでしょうか?循環障害を改善するために、機能を亢進して(高めて)改善しようとしているのではないでしょうか。そのような時に、薬で機能を低下させて治るのでしょうか?薬を辞められる状態になるのでしょうか?

 体はいつも私達を助けようとしていますが、現代医療の病気に対するとらえ方は、「体が暴走している」です。しかし、本当は、体が暴走することはありませんr。一見病気に見える悪い症状は、私達を助けるための懸命な作業なのです。痛いというのは身を守るため、臭いという反応は有毒ガス等から逃げるため、熱いという感覚は火傷しないため、水ぶくれは火傷を冷やすため、寒いというのは凍死しないため、震えるのは体温を上げるため、下痢や嘔吐は有害物質を排出するため、等々。全ての症状は体を守るために必要であり、まして、長期に渡る慢性疾患では、免疫力を低下させて治癒の邪魔をすることになるので、症状をやたら止めるべきではありません。病気の原因を取り除いて病気を治し、結果として症状を消すことが重要なのです。

根本療法を考えるヒント

学習してきたことは本当に正しいのか?